12月に読んだ本
カール・セーガン「悪霊にさいなまれる世界」上下巻
以前、ニセ科学批判を行うサイトで紹介されていて、ずっと気になっていた本。文庫で出ていたので買ってみた。読みやすい文章だが、内容は濃いので読破するのに結構時間がかかった。
「人は誤りを犯すものである」だから、エラー修正機能は必須であり、それが正常にかつ偏りなく機能するためには、言論の自由が保障された社会と充分な教育が必要である、という話。
「懐疑的」という言葉の誤解もこれで解けた。「○○に懐疑的」というと、かなり否定的なニュアンスにとらえられがちだが(マスコミの責任も大)、「懐疑」は否定することではなく、「本当にそうなのか?」と疑うこと、根拠と検証を求めることである。
短編集だが、すべての作品がそれぞれ確りしたテーマを持っており、読み応え抜群。
「鐘の音」などは大河ドラマにもなりそうな内容。
個人的には「器を探して」と「ジェネレーションX」が好き。道行きものが好きなのか、私。
「ビニールシート」が一番重いテーマを扱っているにもかかわらず一番軽い話になっている。いつかこのテーマで長編を書いてほしいもの。
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