おさ子です。のんびりまったり生きましょう。

「青瓜不動」「族長の秋」

2025年8月17日  2025年8月17日 
 日中はもう買い物は避けてる。家の片付けとブログ更新で一日終わる。勿論片付け時間の比率は最も少ない(←ダメダメ)。

「青瓜不動 三島屋変調百物語九之続」宮部みゆき(2025、文庫)

 おちかちゃんに代わった富次郎さんの語りも早四冊目!今作も安定の面白さですが怖さ度はさほどでもなかった(私基準なので保証しません)。以下、ほんのりネタバレにて注意。

★★★☆☆「青瓜不動」産み月のおちかちゃんに助っ人キタ!(やっぱり狙われてたんかい!)映像にしたらだいぶ怖そう。
★★☆☆☆「だんだん人形」真面目に、懸命に生きていた民草を襲った理不尽な惨劇。怖いというよりやりきれない。ものを語ることの原点を示す展開と流れ。
★★★☆☆「自在の筆」絵師の業につけこむ物の怪の話。等価交換どころではないヤバさ。富次郎怖気づく。
★★☆☆☆「張雨の里」行き先のない子供を引き取り育てる不思議な山里の話。切なくも哀しい結末に、富次郎号泣。
★★★☆☆「面影鬼」三島屋の守り神・禍祓いお勝の若い頃の話。短いが中々のインパクト。

「族長の秋」ガルシア・マルケス/訳 鼓直(1975、日本での刊行は四回目)
El otoño del patriarca / Gabriel García Márquez

「百年の孤独」に続き読みました!
 な、なんといいますか……凄かった。どう形容していいのだろうか。ものすごくローカルな話をものすごく壮大に、切れ目なく、日本ではありえない風景や空気や色彩や人を見せつけられた感じ。
 私は解説は最後派なんだけど、この本に限っては解説先がよいかもしれない。池澤夏樹さんが本当に入口にそっと押してくれる。なんせ語り手がぽんぽん(予測なく)変わるし、話が円環するし、死んだ人がまた話し出したりするし、この世界に慣れるまでがちと大変なのだ。「ネタバレ」という概念もない。何なら途中から読んだって、飛び飛びに読んだって別にいい。
 ただ知っておくべきことがひとつあるとしたら、これは「独裁者」の話であるということ。作者は独裁者というものに相当興味関心が高かったようで、かなり読んでるし書いてる。登場人物の独特の思考や言動、行動も、フィクションとみせかけて実は本物かもしれない(というか実話がベース)。ただそれが今目の前で起こっているのか、ただの夢なのか、過去の話なのか、容易に判別がつかない。
 これほど普通の小説の体ではない、破調にして乱雑、支離滅裂にみえる構成が、実は究極にシンプルな構造体で、驚くほどきれいにまとまって幕を閉じるのだ。何を言ってるのかわからないと思うが私もわからない。気が向いたら読んでみてねというしかない。小説って本当すごいなあ。

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