「エルヴィス」
えっもうTVで放映してんの?!早くね?!と思ったら三年も前の映画だったでござる。観たかったのに行き損ねた映画のひとつ。エルヴィスの誕生日(1/8)に放映だったのね。
Happy Birthday #ElvisPresley!
— Legacy Recordings JP (@SonyMusicLegacy) January 8, 2025
本日1月8日は、キング・オブ・ロックンロール #エルヴィス・プレスリー の誕生日🎙️
1935年生まれですので、ご存命ならば90歳でした。いまも生前エルヴィスが暮らしていたグレイスランドでは生誕ウィークに様々なイベントが開催されています。https://t.co/A58Qv9GxLL pic.twitter.com/SBsRq9LENf
「エルヴィス」バズ・ラーマン
Elvis Baz Luhrmann(2022米)
監督さん、「ムーランルージュ」の人だった。通りで絵面が華やかきらびやか!
まず私、エルヴィス・プレスリーという稀代の天才ミュージシャンを殆どどころか全く知らなかった、ということをいやというほど思い知らされた。「キング・オブ・ロックンロール」と呼ばれる史上最も売れた音楽家の一人である、くらいの知識はあっても、何しろビートルズすらスレスレの世代の私としてはかなり遠い人だったのだ。
えーいわゆる黒人の音楽を日常的に聴いて育った?ゴスペルやR&B好き?「白人を黒人に近づける」かどで逮捕されそうになりつつも強行したア?それと何より、音楽がメチャクチャにカッコイイ!なんだこれ!反骨精神に溢れた、まごうかたなき「ロックンローラー」じゃん!
時代はキング牧師暗殺のころのアメリカで、黒人に対する白人のド直球の差別が日常的に存在してる。なるほど、現代は逆に振れちゃったわけねと納得。この状況であえて黒人の中に入ってジャズやったのはビル・エヴァンスだけど、ほぼ同時代にこのレジェンドがいたわけか。ジャンルも方向性も全く違うものの、魂を削るような音楽バカぶりは共通してる気がする。あとお薬ね……(ビルエヴァンスは麻薬、エルヴィスは処方薬)。
それと音楽業界の闇。なんでこの時代のショービジネス関連の「マネージャー」はドがつくほどクズなヤツばっかりなのか(いや偏見はいけない、映画で大袈裟に脚色してるんかもと思ってwikiみたら更に酷かったア!)。アーティストが個人として守られるのはずっとずっと先のことなんだと思うとしんどい。このマネージャー「パーカー大佐」がもうどこから見てもご立派な山師で……エルヴィスの才能を見出した目は確かだし仕事を回す能力は高かったんだろうが、彼の求める音楽を実現してやろうなんて気はサラサラないように見えた。もっといえば音楽に全く興味がない。ラストシーンでは、いや丸っとお前のせいやろ!と十人いれば十人とも突っこむところである。それはともかく演じるトム・ハンクスは最後まで憎々しくゲスく素晴らしい(見事な二重顎!多分役作りで太ったと思われ)。
そしてそして、主演(エルヴィス役)のオースティン・バトラー!超ーーーーイケメン!!!見た目だけではない、ミュージシャンの伝記映画では概してそうなんだけれど主演者のリスペクトが半端なく高い。歌も自分で歌ってるのよね(若いころのシーン)。アカデミー賞はノミネートのみだったけど(なんでや!と思ったらエブエブの年だった)、第80回ゴールデングローブ賞(2023)では最優秀主演男優賞をゲットしてる。
というわけですごく面白かったし収穫あった。エルヴィス?興味ないわ昔の人すぎて、という人ほど観たらいいと思う。42歳という若さで亡くなった時に、アメリカ大統領をして
「我が国の一部が欠けた」
とまで言わしめた伝説のロックンローラー。映画という形だけであっても知って損はない。youtubeで何曲か聴いてみたけど歌が上手い!声が良い!カッコよ!だった。
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