「陰陽師 龍笛ノ巻」「よって件のごとし」「子宝船」「くらのかみ」

 この暑熱の中けっこう読んでる方だけど積読は特に減らず。減って来ると足す習性があるので永遠に積み上げてる。


「陰陽師 龍笛ノ巻」夢枕獏(2005)

少し年代が近くなってきた、と思ったがほぼ二十年前。ヒエー。さすがのクオリティでどれ読んでも面白い。晴明が完全に「向こうの世界」に行ってしまわないのは、博雅というくびきがあるから。その博雅はしょっちゅう「世の無常」を感じ、切ない心持ちになるけれど、決して「そうでない世界」に行きたいとは思わないのよね。その潔さと強さに晴明はつい惹かれてあえて繋ぎ止められ、拠り所にしてる。

  •  怪蛇
  •  首
  •  むしめづる姫 
  •  呼ぶ声の
  •  飛仙 
 今回は蘆屋道満のみならず、晴明の師・賀茂保憲が出てくる。つか、このバディに頼りすぎじゃないのこの二人。

 そしていつもの宮部さん二連発。

「よって件のごとし」宮部みゆき(2024文庫版)

 いつもの「三島屋変調百物語」シリーズ。例によって怖さ度で☆つけてみる(5点満点。ただし私基準なので注意)。
★★☆☆☆賽子と虻 八百万の神、万物に魂の宿る系の純和風異世界もの。
★★★☆☆土鍋女房 人ならぬものに魅入られた男の話。
★★★☆☆よって件のごとし 和風ゾンビパニック(宮部さん初のゾンビもの、念願だったらしい)。手に汗握るアクション多し。
 全部読みごたえがあって面白かったのだけれど、何故か最後に残るモヤモヤ。そうなのだ、おちかちゃんがまだ妊婦なんだわこの時点で。それぞれの話にすこーしずつ絡んでは、解消されないまま続く。いや怖いんだけどなんか。なので話自体の「怖さ」にはあまり反応しなかった。三本とも確かにホラーなのにー(ゾンビパニック超面白かったです)。ただ次が怖いきっと次が本番。

「子宝船」宮部みゆき(2024文庫版)
 こちらは「きたきた捕物帖シリーズ」の二作目。此方はホラーと見せかけつつ、謎解きミステリーの体である。「子宝船」「おでこの中身」「人魚の毒」と三つに分かれているけれどひと続きの話。ネタバレ不可な本だと思うので詳細に語ることはしないが、謎めいた喜多次が余計に謎めき、さらにこっちもモヤモヤが残る。後に続いていく雰囲気満々、なのも同じ。

「くらのかみ」小野不由美(2024 文庫版)

 元は児童書、2003年の作。座敷童モチーフなので当然子供たちが主人公である。後の「ゴーストハント」シリーズの前哨戦といった趣で、懐かしくも面白かった。古い大きな家に親戚一同集まって、子供同士好き勝手に遊ぶって楽しいよね。
 明かりを消した部屋の四隅に一人ずつ座って、順に隣の人にタッチしていくという聞くだけで恐ろしいゲームも懐かしい(やったことないけど)。考えた人天才よね。
 土地と家の後ろ暗い言い伝えと、その周囲の地形、家の構造、一族にまつわる独特な慣習等々これでもかと盛り込まれたおあつらえ向きといっていい舞台装置を前に、子供たちが極めて冷静かつ真っ当に謎を解明していくのが気持ちいい。皆賢こすぎの良い子過ぎだわ。

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