いろいろと想定外
久しぶりに「今住んでいるところに実は別の空間が」パターンの夢。それも、以前とは少しずつ様相が変わっていくのがまた興味深いところなのよね。夢の中でけっこう「色」を感じたのも珍しい。あの本を立て続けに読んだせい?(怖
友人が遊びに来た。家は酷く散らかっていて、台所にも洗い物が溜まりっぱなしになっている。友人は何も言わず皿洗いを始めた。ああ恥ずかしいなと思い、居間の手前にある空き部屋に移動した。
フローリング床のだだっぴろい部屋は、大きな二つのマットレス以外には何も置いてない。マットレスは茶色と黄色とオレンジが混じったような奇妙な色で、壁際に立ててあった。
(これを居間に置いて居場所にすればいいのでは)
と思ったが、大きすぎて邪魔な気がしてやめた。
再び居間に戻り、
(そういえばこちら側にも部屋があったはず。そこを使おう)
と思い反対側のドアを開けると、昔あったはずの部屋はなく、全体がコンクリート打ちされて誰かがシャワーを浴びている。そうだ、ここはマンションの方針変更で取り壊されて、一般人がお金を払って利用するシャワールームになったのだ。すっかり忘れていた。使っている人たちに気づかれないようそっとドアを閉め鍵をかけた。
居間で家族や友人と楽しく団らんしていると、シャワールームのある側の壁だったところがいつの間にか掃き出し窓になっていて、カーテンの隙間から眼鏡をかけた若い女がじっと覗き込んでいる。
「覗かないで!あっちへ行って!」
と言ったが動かない。カーテンを閉めようとして気づいた。
(窓 が 開 い て る!)
網戸の向こうで真っ赤な塊が蠢いている。慌てて窓を閉め施錠した。
(大丈夫だろうか……あんな普通のサッシ戸くらいすぐ破られそう)
胸がドキドキする。不安がぬぐえない。
場面変わって、長い坂道を自転車で上っている。別の友人と約束があり、この山の上で待ち合わせをしているのだ。間もなく友人が徒歩でやってきた。
「ごめん、電車で来ちゃった」
徒歩と自転車じゃ行動が別になってしまう。だいいち日帰りが不可能だ。どこかに泊まらなければならない。
(家族に泊まるとは言ってこなかったな)
急いで宿泊場所を探した。
「このホテルが一番よさそうなんだけどどう?」
とスマホの画面を指さすと、友人は
「うーん……ここはダンナといつか一緒に行くつもりのところだから、他がいいな」
と言う。内心モヤモヤしつつも、二番手のホテルに決めた。
博物館に入り中を回っていると、チケット販売列に友人の夫が並んでいる。
「えっ!なんでここにいるの!」
「ここで観たい展示があったから」
友人も友人夫も嬉しそうだ。私は挨拶して少し離れた。二人はそのまま談笑している。
話を終え戻ってきた友人と、展示を観るふりをしつつひそひそ話をした。
「私、ここで失礼するね」
「えっ何で?一緒に泊まればいいじゃない。一人増えるくらい平気でしょ」
「何言ってんの。さすがに余所のダンナさんと同室なんて無理無理」
友人は何故か中々引いてくれない。私はこの博物館を出たらすぐに帰ろうと決意した。
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