夕暮れせまる
久しぶりに長い夢。割とはっきり覚えてた。しかし本当に迷って帰れなくなるパターン多い。人生の縮図かしらん(笑)。
家族全員でとある人の家を訪問することになった。あまり面識のない、気の張る相手である。ところが、エレベーターを下りたところで私だけ靴下を履いていないことに気づいた。
さすがに余所の家に(しかも気の張る相手!)靴下なしで上がるのは無作法だしみっともない。他の家族にも恥をかかせてしまう。
「急いで買ってくるから先に行って!」
と家族に荷物を預け、一人またエレベーターで階下に向かった。
大きなホテルのような建物で、体育館に似た広いホールには絶えず人が行き来している。売店がどこにもない。あちこち歩き回ってやっと見つけたのは、会議机のような飾り気のない長机に雑然と品物が並ぶ催事場のような場所だった。
靴下類はまとめて山積みされている。一番上にあるものを手に取ったらレギンスだった。ようやく下の方にストッキングの包みを見つけ、買おうとポケットを探った。
何もない。
交通系ICカードすらない。いつもポケットに入れていたのに。
そうだ、家族にすべて荷物を預けたんだった!バカじゃないの私!
売り子の若いお姉さんが
「買わないんですか?」
とおつりの500円玉を手にしながら苦笑している。
家族に連絡を取ろうにもスマホもない。戻るしかない、とストッキングを諦めてまた歩き始めた。
階下に降りてから横移動をしすぎたせいだろうか、元の場所がどこなのかわからない。どんどん違う方に行っている気がする。
やがてどこかの大学の構内に入った。何かの催しをやっているようで賑やかだ。目についた階段を上るも行き止まりで、関係者以外立ち入り禁止と貼り紙があった。どうやら研究棟のようだ。
諦めて下に降り歩くうち、足に木の枝が引っかかった。大きな毛虫が這っている。今にも足首に乗ってきそうだ。焦りつつそっと枝を引っ張る。ようやく外れた……と思った途端、毛虫が地面に落ちてバラバラに砕け散った。
破片の直撃はあやうく避けたが、風で飛んだ毛にも毒があるのかもしれない。触れないよう注意しながらその場から遠ざかった。
駅に続いているであろう道には人がたくさん歩いていた。催しを楽しんで、家に帰るのだろう。まだ日は陰っていないがそろそろ夕方なのか。見渡した限りでは時計はなく、スマホもないので正確な時間がわからない。
大学関係者なら催しが終わっても暫くは学内に残るだろう。あのビルがどこにあるのか聞いてみよう。連絡手段もどうにかならないだろうか。
構内に向かって引き返したものの、誰が関係者なのかも全然わからない。あてもなく、ただ時間だけが刻々と過ぎていく。
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