読書の秋……といいたいところだがまだ暑すぎて無理。早く涼しくなってえ。
noteの記事で呟いてるように、最近版元ドットコムの書影が使用不可なことが多く(この二冊もそう)、自分で撮った画像上げたりしてたんですが、それも著作権的にはアウトみたいです。なので当面ぞんあまからの画像を貼ります なので楽天の商品リンクに変えました(クリックするとそのサイトに飛びますのでご注意)。
久々の篠田さん。相変わらずの、流れるように読者を引き込む巧者っぷりはさすが。あっという間に読み切ってしまった。
美大を出て美術関係の賞をとったものの後は鳴かず飛ばず→離婚→外国での修行→帰国。ところが両親はとっくに亡くなっていて……という、絵にかいたような芸術家崩れの50代男性が主人公。
芸術だけで巨万の富を得られているのは一部の超天才か、はたまた人脈を駆使してトップに君臨するやり手実業家か、であって、多くはいかに資金をつなぎ、継続させていくかに汲々とせざるを得ない。特に彫刻は作る場所・置く場所にある程度の広さが必要だし、量産できるものでもないし、買う方にも覚悟が要る。顧客は非常に限られている。作る手間暇費用を考えたら割に合うはずがないのだ。
この主人公も勿論そんなことはわかりきっているが、かといって今更全く別の仕事に就くことも難しい。やはり自分が身につけたもの、長年やり続けたことをどうにかして活かすしか道はないんである。(と書くと自分にもぶっささって辛いw)
とはいえ、この物語のトーンは終始明るい。それは篠田さん作品すべてに共通する特徴かもしれないが、
「どうやって生活費をねん出し暮らしているのかよくわからないが何だか楽しそうに生きている」
人をこれだけ克明に描ける人はなかなかいないのではないか。最近、田舎暮らしの暗部がどうとかネガティブな話ばかり触れていたので、なんだかホッとした。いやかなりシビアでビターな現実もちゃんと描いているのだ。芸術家の浮世離れ・いってみれば狂気が謎に作用して不可思議な現象を呼ぶという、ほぼホラーに近いファンタジーな要素(なんじゃそりゃ)バリバリなのに、漂うお呑気な空気が心地よいというカオス。つまり物語の楽しさがここには全部あるということだ。読後感も爽やかな名作。
これはまたド直球の田舎の暗部ホラー。怪異譚を探すうちに偶然ふたつの同じ村にまつわる話に巡り会った編集者、という体で話は始まる。リゾートバイトで訪れた山村で学生たちに起こったこと、その種明かしともなる過去の話、という組み立て。掴みも展開も定番といえばそうなのだがわかっていながらも引き込まれてしまう。あらかじめ禁忌を言い渡されていても、如何にもヤバそうな外観をしていても、抗えることは滅多にない。たぶん、そこに来ることを決めた時点でもう何かに取り込まれてしまっているのだ。
8年前のこの作品を何で読もうと思ったかというと、Twitter(x)で見かけたから。映画の出来が頗るアレだったので原作を読んでみたらかなり違ってた、という趣旨のツイートだった(うろおぼえ)。そういうのをウッカリ見かけちゃってまんまと読んでしまった私はきっと何かに引っ張られているにちがいない。もちろんこれを読んでるそこの貴方も(ひひひ)。
これ映画ではちょっと無理があるかもなー。特にバイトの学生達が山に入っていく辺りは役者さんの演技力がかなり問われるところだから、本職じゃないと厳しいかも。五回くらいのドラマにしたらちょうどいいかもしれない。
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