おさ子です。のんびりまったり生きましょう。

「世界の辺境とハードボイルド室町時代」「有頂天家族」

2023年1月21日  2023年9月12日 

 ようやく図書館の順番が回ってきた。予約申請出したの去年の秋。



「世界の辺境とハードボイルド室町時代」高野秀行/清水克行

耳鼻削ぎの日本史」の清水さん、抱腹絶倒のあとがきを書かれた高野さん。このお二人の対談が面白くないはずがない。お互いポンポンポンポン言いたいことを言いながら、話はあっちへ飛びこっちへ飛ぶが、その範囲が広く深い。高野さんの本「謎の独立国家ソマリランド」も勢いで予約してしまった。

 本書は2015年に刊行され、2019年に「追章」を加えて文庫化された。この「追章」がまた面白い。近未来ニッポンに「中学氏族」が出現するって(爆)「東京リベンジャーズ」の大ヒットを予言していたかのようなこの発言。この時期にはもう連載とっくに始まっててじわじわ人気出てたからもしかして知ってたのかもしれないが、こんなにテキトーに喋くっているのに世が求めるものを的確に突くとはさすがである(違)。それはともかく如何に人間が同じことを繰り返してるかって話だ。紛争が起こる理由や解決する手段が似通ってるのも、人の考えることはあんまり変わりないってことなんだろう。一方で、国や民族や地域によって習慣も常識も異なること、頭ではわかっていても実際に自分の目で見る・耳で聞く、ことはなかなかない。こういうガチオタク何かを専門にやってる方々が発信してくださるからこそ、片鱗なりとも知ることができる、有難いことである。

「面白い話をする」というのはやはり対価を払われるべきスキルの一つではあるんだろうな。アラビアンナイトしかり。



「有頂天家族」森見登美彦(2007初出)

 此方は以前から読みたいと思いつつも読んでいなかった(これもよくある)本のひとつ。森見さんの本は「太陽の塔」以来読んでないがまさに語り口の妙、講談のようなものを聴いている気分で読める。文体に一定のリズムがあって非常に心地よいのだ。

 場面の切り替えも映画のカットを見ているようにわかりやすい。そしてビジュアルが印象的で美しい。

「弁天」の綺麗なお姉さまが夜の街を文字通り飛翔するさまは、ああこれ



「よふかしのうた」コトヤマ

(最新刊14。吸血鬼もの漫画。アニメ化もされてる)

じゃん!と途中で気がついた。キャラ的にも似たところ多いような。とにかく引き込まれ感すごい。今のところまったくダレずハイクオリティを維持している。全然違う話ではあるけどこちらも超面白いのでオススメ。

 さて「有頂天家族」、京都に巣くう狸一族の呑気な日常系、かと思いきや結構ディープでハードな事情あり、バイオレンスでスピード感あふれる展開、そして怒涛のエンディングへ。驚いたことに結構感動してしまった。冒頭読んだ辺りでは予想もしていなかったことだ(笑)。

 のどかな観光列車に乗ったつもりが気がつけば絶叫マシンと化し、京都の街を縦横無尽・傍若無人に駆け巡るといった趣である。これ、京都が地元の人はもっと楽しめるんだろうな。ある意味究極のローカル小説でもあると思う。こういうの書きたい。あ、その前に続き読みたいな。

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