おさ子です。のんびりまったり生きましょう。

「禍家」「凶宅」「魔邸」

2023年1月10日  2023年9月12日 

 こちらは三津田さん三連発。というか電子書籍の三冊合本版だった。どれも「家」にまつわるホラー。主人公は三作ともに少年、それぞれ行った先で怪現象に見舞われるのも共通。「怖さ」の★をつけてみたものの、何度も言うように私の恐怖メーターは振り切れてるのであてにはなりません。ご了承ください。


「禍家(まがや)」三津田信三(2013)

 三作の中で一番古いせいもあるのか、書き方がやや粗削りで大袈裟?のような気がしたが、それ自体が「突然両親を亡くして祖母と二人になった少年」の精神の不安定さとマッチして薄気味悪さを煽る効果になってる。具体的にどういう感じかというと、

「この子、何か精神的な病気を抱えてるんじゃないの?」

 と思えてしまうのだ。妄想の中の世界を見せられてるような気分になる。実際には怪異は怪異として紛れもなく存在し、生きている人間の恐ろしさも絡んで、謎が徐々に、テンポよく解かれていくので途中からそういう何ともいえない歪んだ感じはしなくなるんだけど、それはそれでストレートにキュッとくる怖さの連続である。

 それにしても、一番悪いのはこんな家に孫と住もうって気になった祖母だよね。いや事情はわかるけどさ。

怖さ★★★★☆


「凶宅」(2017)

 山にはりつくように建てられた家、隣接する家は未完成のまま放置されている……という状況だけですでに嫌な予感しかない。禍家に続き「なんでこんなところに住もうと思ったんか」という案件。まあ子供の立場で「行きたくない」「住みたくない」と言ったところでどうにもならんわな。

 家のつくりが、かの有名な未解決事件の家を彷彿とさせてそれも嫌な感じである。地元民の態度、いかにもラスボスといった禍々しい雰囲気の古い屋敷も良い。主人公と友達との男の友情もアツい。

怖さ★★★☆☆


「魔邸」(2020)

 母の再婚相手とそりが合わず、暫くの間叔父と暮らすことになった少年。神隠しの言い伝えのある大きな屋敷で夏を過ごす。

 今作は最初から主人公含む全員がそろいもそろって胡散臭さ満々である。個人的にはあんまり出番のなかった少年の母、コイツが一番の食わせ者な匂いがする。すべての黒幕じゃないの実は?

 それはともかくとして「大きなお屋敷」「神隠しの森」「人間の欲望」がうまく絡み合ってハラハラドキドキもある、ミステリー・ホラー・人間ドラマにございました。

怖さ★★★☆☆


 どの作品も謎解き形式なので楽しく一気に読めます。ご利用は自己責任で。

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