「ジーヴズの事件簿」

 重めの本が続いたのでこの二冊。例によって子の手持ち本。


 
「ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻」「ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻」

P.G.ウッドハウス 岩永正勝・小山太一(編訳)

 英国貴族のボンが、様々な(どうでもいい)危機に見舞われるが、ドレスコード(という名の趣味)にウルサイ超有能執事ジーヴズの力を借りて見事切り抜ける(どうでもいい)話。とはいえ英国ではオーウェルと並ぶ人気作家であり、

 天下国家がどうとか、社会システムがどうとか、直接的にガンガン批判なんてことは全然ない。(ただし活動家の類はかなりクソミソに描かれてる)とにかくお呑気で不真面目でしょうもない感じの、スチャラカな貴族の日常なのだが、うちにある文庫本の帯がこれ:

「美智子さまもご愛蔵。『ジーヴズも二、三冊待機しています』」

 この帯にまずやられましたね。いや実際萌えます、美智子さまがお紅茶を召しあがりつつこの本をお手に取られて(きっと原書)ウフフと微笑んでいらっしゃる光景を想像すると。

 そうはいってもイギリス文学、源氏物語バリの背景と前提知識、方言や言い回しの細かいニュアンスがわかるレベルの英語力がないと真には理解できないような、そんな気もそこはかとなくする。とはいえ日本語訳も随分考えられ練られているので、独特の雰囲気と何ともいえないおかしみは充分伝わってくる。日本の落語に近いところもあるかも。特に何も考えずに誰でも読んで楽しめる本だと思う。

 折しもエリザベス二世女王陛下が9/8に崩御され、生前のユーモアあふれるエピソードがネット上に溢れた。私らのようなニワカでも「英国風」であると理解できる、その感覚の元は陛下の存在だったのかもしれないとつくづく思った次第。ジーヴズを日本語で楽しめるのもそのお蔭はある、きっと。

「普通の言葉を使っているだけなのに何か面白い」絶妙な間とニュアンスを私たちに教えてくださった女王陛下に、最大の敬意と感謝を。

 ドラマ化もしてるみたいなのでちょっと観てみたい。

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