正月は、二年続けて何処へも出かけず家にお籠り状態でした。お節も最小限。漫画も本も沢山読んだ。「三体」はⅡの黒暗森林上巻まで読了。やっぱり智子は智子ちゃんやん(違)。色んな作品の色んな要素が混然一体とまじりあってる感はますます強い。最後まで読んでから感想かくけど、この上巻では一部ものすごーくハルキみを感じた。いや、絶対好きですやろ。宇宙戦艦ヤマトみもあるし、とにかく作者の読書(映画、アニメも含)経験の幅広さに唸りっぱなし。
「せんせいのお人形」藤のよう 全八巻
ツイッターで一部話題になってて、試し読みしたら面白かったので続けて読んだ。全編フルカラーだけど話に力があるので途中からあまり意識しなくなった。モノクロの方が際立ちそうな気もするけど、カラーならではの良いシーンもあるし、どっちもどっちかな?何にしろ、漫画というものの表現がデジタルによって一気に幅が広がった感がある。
物語の大枠としては極めてオーソドックスなのだが、「本」というものが重要なファクターとしていつも中心に据えられているのが、読書好きとしては嬉しい。親戚をたらい回しにされたばかりか虐待も受け、基本的な生活習慣も何も教えられていなかったスミカが、屋根裏に書庫を持つほどの読書家(羨ましい!)であり教職でもある照明に導かれ、「本」とその「知識」と「愛情」により徐々に変わっていく。穏やかな優しい絵だが、登場人物それぞれの背景はかなりハードで重い。一筋縄ではいかない現実を無理に克服するというのではなく、誰かの力を借りつつ回り込んだりいなしたり、角度を変えながらも前に進む。その「誰か」は身近にいる人だけではない。無数の本、積み上げられた知識の中、世界のいたるところにいる誰か、そして何より自分自身である―――というお話。読書好きでもそれほどでなくてもおススメの良書です。
「バルバラ異界」萩尾望都 全四巻 (2002年9月~2005年5月)
萩尾さんの漫画はほぼ読んでいるつもりだったが、これだけ全くの未読だったことに「100分で名著」の本読んで気がついた。これまた凄い話だった。もう何と書いていいやらわからない。凄惨な事件ののちに眠り続ける少女は夢の世界を創り上げ、現実に戻って来ようとしない。虐待の結果かと思いきや―――あの名作「スターレッド」に繋がる節もあって、ファンには堪りません。夢の世界と現実の世界、時空の境目がどんどん曖昧になって、もはや何が「現実」で「現在」なのか釈然としないまま、いつのまにかそれぞれ独立して(並行して)存在する「異界」となる。
あまりにも強い執着やら愛情やら意思は新たな世界を作り出すが、当然のことながら誰にとっても良い世界とは限らない。かといって偏ったものをすべて害だとして取り除くと、そこには世界も個性も何も無い「虚無」が広がるのみ。
エヴァンゲリオンやナウシカや漂流教室をも思わせるこの密度の濃い物語世界が、たった四冊にまとまっている。恐るべし。
で、三巻まで無料だったのでつい「残酷な神が支配する」を読んでしまった……たった三冊なのに超絶ダメージを食らった。キツイ、ひたすらキツイ。リアルタイムで読んでいたのでどういう展開になるか、どういう結末かも大体覚えているんだけれども、改めて読むと、のっけからジェルミの母親が依存体質の「毒」だとはっきりわかる。だいたい、始めの段階で十代の子が
「母にはとても言えない(現実に耐えきれない)」
なんて思っちゃうこと自体おかしいだろ。グレッグみたいな奴はそういう人間を見極めるのに長けてる。目をつけられるのも必然で、その時点で終了だったと……うわーーーんもう、辛すぎ。もう少し経ったら全巻読もう。怖い話は最後まで観ないと途中だけが記憶に残っちゃうってスミカちゃんも言ってたし。
「SFマンガ傑作選」福井健太 編
これがまた素晴らしい代物で。分厚い文庫本なんですが、そうそうたる作家陣の、知る人ぞ知る名作SF漫画が大量に掲載されている。全部短編でメチャクチャ中身が濃い。今の漫画のように派手な戦闘シーンがない分、アイディアとストーリーで勝負!といった感じがする。70年代は本当に百花繚乱だなあ。音楽も面白いもんね。
全部読み応えのある名作だけど、個人的には山田ミネコさんの「冬の円盤」と佐々木淳子さんの「リディアの住む時に…」が入ってたのが超超超!GJだと思った。わかってるわあ。
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