「1917」「きっと、うまくいく」「ミッドサマー」「最強のふたり」
もちろん全部家で観ました泣。ワクチン二回目済んだので、もう少し収まったら映画館にも行きたいなあ。
1917 Sam Mendes(2019英米)
2時間あっという間だった。やっぱり映画館で観たかったなあ。「ワンカット」が売りだけど、ストーリーも「二人の兵隊が停戦命令を翌朝までに前線に届ける」というシンプルさで全くダレないので途中から意識しなくなった。ただ初めの方で延々続く塹壕をひたすら進んでいくシーンは効果抜群だったと思う。ゲームに詳しい息子によると第一次大戦特有の塹壕らしい。言われてみれば、全体的にちょっとゲームっぽい展開(殆ど知らんけど)。いや、ゲームの方が寄せてるのよね。もしかしてもしかしなくても、私らみたいな中途半端な世代(戦争知らない・ゲームもしない)より、ゲーム好きの若者の方が実際の戦闘がどういうものか、リアルな仮想空間で「体験」してたりするんでは。不思議な時代だなあ。
何かの映画評で観たけど、この「1917」という年代がまた絶妙で、これから先2年も戦争は続くのよね。ドイツは大敗して莫大な賠償金を負わされ、後のナチスの台頭を招く、と。ワンカットという手法にもそして言葉そのものにも、意味がありそう。この映画の中で描かれたすべてが、文字通り「ワンカット」なのよね。
3Idiots Rajkumar Hirani(2009印)
インド映画といえばコレ!というほど超有名なこの映画、今まで何となく観そびれていたが、予想と評判に違わず大変面白かった。定番の突然歌って踊り出すという場面もとにかくキレッキレでカッコいい。これ、地元の映画館なら実際みんな一緒に歌って踊ってたんじゃないだろうか。
何より明るくて希望に満ちた感じがいい。それぞれにシビアな現実もあるにはあるが、知恵と勇気とおバカな発想力で立ち向かう!みたいな。とにかく元気の出る、盛りだくさんでコッテコテの青春映画だった。こちらも170分もあるのに全く長さを感じない。必見。
「ミッドサマー」アリ・アスター
Midsummer Ari Aster(2019米)
なんだこのラインナップ。我ながらオカシイ。しかもこの「ミッドサマー」、2回目ファイザーワクチン接種の副反応で肩パンパン&微熱&倦怠感で動きたくない状態の時にわざわざ観たという。先に観た息子の評価は散々なものだったが、私としてはそこまで酷くもなかったかな。いや酷い話なんだけどね。でも、もうひとひねり欲しかったな。ストーリーの流れや展開はごく素直、ああまあそうなりますよねーうん、と概ね予想通りの展開だったんで特にビックリもしなかった。でもグロくて悪趣味で血飛沫ドバーの映画を数多見慣れた私の感覚がきっとオカシイので真に受けちゃダメよ。
とりあえず登場人物は全員かなりオカシイのはホント。そもそも日常的に何か吸ってるし、無防備に差し出されたよくわかんないお茶とかホイホイ飲んじゃうし。幻覚観てるのにその後も一切ノー警戒。そういう人間を選んで引き込む体だから成り立つ話なのかいなと思ったけど、ディレクターズカット版もあるのね。そっちを観たらまた印象が変わるかな。いや、別に観たくないけどさ(観ちゃうかも)。
「最強のふたり」エリック・トレダノ オリビエ・ナカシュ
Intouchables Eric Toledano Olivier Nakache(2011仏)
最後にコレでちょっとホっとする感じ。以前、おそらくリメイクされたやつを観てたけど、やはり本家本元のこっちのほうがよかった。富豪の気難しさとか嫌味ったらしさみたいなところが、フランス語にぴったり合ってるって言ったらどこかに叱られるだろうか。実話に基づいているというけど、一種のおとぎ話っぽく見えてしまうのがまた不思議なところ。パリの街並の昼と夜、田舎の風景をひたすらに美しく撮ってるのも理由の一つなんだろうけど。
ただ黒人青年ドリスの繰り出すキッツイギャグ(身障者ネタとか風俗ネタとか)は今のポリコレ時代じゃ再現不可能かもしれない。でもそれこそが立場や階層を超えてフィリップと対等に向かい合ってる証左。ドリスの代わりの付添人が、意図が伝わらない苛立ちをみせたフィリップに表向きは穏やかに対応しながらも、
「不機嫌らしい」
ってセリフを呟く(悪気無し)シーンとは対照的。
この先、映画があまり窮屈にならないことを祈りたい。そしてやっぱり映画館で映画観たいよううわーん。

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