関屋 二 ~オフィスにて&閑話休題~
「なあに侍従ちゃん」
「何コレ!!!マジで?!空蝉さんのダンナさんって右近ちゃんのおとーさんなの?!」
「だーかーら、違うって。言ってたじゃん、別世界線だって。ウチの父ならまだ無駄にピンピンしてるわよ、侍従ちゃんのお母様と同じく」
「そ、そうか……焦った。大体おさ子がテキトーすぎるのよね!アタシの『侍従』も由来まるっと忘れて謎設定ぶっこむしさあ」
「私なんて婆役もやったわよ、ひとり語りで。あの話もそろそろ続き来そうなんだけどどーすんのかしら」
「また辻褄合わなくなって無理くりミラクル改変するんだろうなあ。まあいいけどさー別に。ところでさ、さっきの話、(声を潜める)何となく藤壺の女院さまのパターンに似てない?夫が亡くなった後身近な親族に言い寄られて出家するってやつ」
「確かに。たいぶレベルは違うけど、夫=後ろ盾を喪うと大変よね平安女性は。良くも悪くも人生変わる」
「してみると出家って案外便利よね。とりま『アタシはもう女としての人生から降りました!』宣言にもなるじゃん。シツコい男からは一応それで逃げられるし、世間体も悪くない。別にお山に籠ったりしなくても、そのまま同じ家で暮らすもアリだしさ。まあ、ある程度経済力は無いとだけど」
「うん、王命婦さんも結局殆ど生活変わってないしね。髪そぎした分動きが楽になってむしろお得感。元々トップキャリアだし何も困らない。まさに自立した女性だわ(うっとり)」
「今も昔も、手に職って大事よねー。アタシも頑張ろうっと!」
「あら。侍従ちゃんは、そろそろご結婚なんじゃないの?」
「エッ!!!な、何言ってんの右近ちゃん。ゼーゼンそんな予定無いよ!」
「この手記さ、誰が書いたと思うー?で、何で私がここに持ってきたんだと思うー?」
「そ、それは、右近ちゃんのおにーさんでしょ?だったら右近ちゃん持ってくるのは当たり前じゃ……」
「まあそうね(ニッコリ)。侍従ちゃんって本当に口堅いよね。でも、私にくらい話してもいいんじゃなーい?(ニッコリ)」
「ひっ」
「お茶もう一杯いかが?(ニッコリ)」
閑話休題。
「源氏物語」は結構な数の訳本を読んだはずの私ですが、ここに至りポロポロ抜け落ちるやら間違うやらで少々、いやかなり焦っております。そもそも、こんなに続けることになるとは全く思ってなかったんですよね最初は。実際中断もしましたし。しかしもはやそんなことは言ってられません。いくらおちゃらけ版とはいえ、ここまで来たらもう最後まで突っ走るしかない!
というわけで、今後も無理設定・謎設定まだまだやっちゃうかもしれません(予告)。あーいつものおさ子ね~ってことでご容赦ください。
しかし「蓬生」とかこの「関屋」とかって、明らかに「あの人は今?」企画ですよね。これは自分で書こうと思ったのか、ファン(しかも断りにくい人?)にあのキャラのその後書いて~ってねだられたのか、どっちなんでしょう。興味あるところです。「蓬生」の最後では、頭痛くなっちゃったわ(笑)と書いてるので、頼まれて書いたけど思いのほか筆が乗っちゃった~ってことなのかもしれない。真面目で大人しい空蝉さんより、常陸宮の姫君の方がある意味マニアな人気があって、なおかつ書きやすかった気がするんですよね。キョーレツですもん。二巻の量の違いがそこら辺を如実に表してるんじゃないでしょうか。
そしてさらに思ったこと。
右近将監が伊予介(常陸介)の息子・紀伊守(河内守)の弟って設定は、じっさい作者自身の後付けじゃないのかしら。だって、息子がヒカルのお供で須磨に行ってたなら、さすがに常陸にいても様子伺いの手紙くらい出したんじゃないのかな?多分だけど、ヒカルの謹慎期、側近の家来の家族や親類でヒカルに若干恩義のある人たちはどうしていたのか、今はどんな感じなのか、対比させるためだけに右近将監が息子・弟だったってことにした……気がする。
いや、決して私のポカの言い訳じゃないですからね!なんとなーくそうじゃないかなー、くらいで。その方が、いかにも人間らしくかつライブ感があっていいじゃないですか、うん。
参考HP「源氏物語の世界」他
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