「心霊電流」



 「心霊電流 上下巻」スティーヴン・キング
 ’Revival’ Stephen King
 積ん読だったこれを、たまたま読み始めて終わりかけた辺りで、先の記事のビル・エヴァンス映画を観ることになった。こちらも、主人公がミュージシャンでヤク中になる下りがある。結末で何ともいえない気持ちになるのも同じ。巡り合わせというのは本当にあるよねえと実感しきり。

【60字梗概】
元牧師の操る電流で薬物中毒から回復した男が、その副作用を知り元牧師の所業を止めようとするが、ともに人間の死の謎を垣間見る。

あー梗概難しい。なんじゃこりゃ。
街にやってきた、一風変わった「理系」牧師。子供だった主人公と仲良くなるが、突然の悲惨な事故で妻子を亡くしたことで神を信じられなくなり街を去る。そこで切れたと思われた繋がりが、後に再び現れて……と、キング定番の「戻って来るモノ」系の話だ(原題通り)。が、今までのキング作品の集大成ともいえるほど、多くの要素を含んでいる。不条理な死、理不尽な殺人、DV、薬物中毒、死に至る病、奇跡とその代償、宗教の欺瞞、音楽、初恋、山荘、インターネット……
変わり者だが善なる人であった牧師は、妻子の死によって神への信頼が木っ端みじんに砕け散ってしまった。どんなに神を信じて真摯に祈っていても、誰も何も悪くなくても、残酷で凄惨な結果を迎えることはある。何故だ?何故こんな酷い事を、神と名の付く者、高次元の存在が放置しておくのか?何が悪さしているのか?何処かで何かが起こっているせいではないのか?ペット・セメタリーしかり、ITしかり、ダークタワーシリーズしかり、キングはずっとその答えを探し続けている気がする。

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