旅先での散歩

旅行に行くことになり、キップを買うため駅に来た。列に並び、自分の番が来たのでいざカードを差込口に入れようとしたら、カードの表面がはがれてしまった。薄皮をはいだように二枚に分かれている。そのまま入れてみようかどうしようかと迷ったが、後ろにはまだ人が沢山並んで待っている。仕方なく列を抜け窓口に向かった。こちらはガラガラだったのですぐ係員にカードを渡し、目的の特別切符を手に入れることが出来た。
 宿に着いた。部屋は大きく、多くの人が泊まっていて賑やかだ。外に出て街を歩いてみると、大きな高速道路のような道がゆるくカーブを描いている。宿に帰るためその道に沿って歩いていたが、途中でどうも方向が違うことに気づく。正しい道はわからないが、このままだと宿に辿り着けないことは確かだ。
 道端に停車したバンの車内で男女4、5人が揉めている。声をかけてみると同じ宿の宿泊者だった。本当は車で送ってもらいたかったが、人数が多すぎて乗れそうにないので正しい帰り道を教えて貰い、再び歩き始めた。
 いつのまにか一緒に歩いていた女性が、
「私はこっちに用があるから。じゃあね」
といって路地へと入っていった。理由も行先も知られたくないようだったが、その先に神社があることを微かに覚えていた。女性の姿が見えなくなってからそっとその路地を覗いてみたが、明りのついた小さな店が沢山立ち並んでいて、奥に何があるのかは見えなかった。

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