「薔薇の名前 上下」ウンベルト・エーコ 訳・河島英昭
一度読みたいと思いつつこの歳になってしまった、上下巻の大作。学者さんとはいえ、これが処女作とは本当に凄すぎる。盛りだくさん過ぎて一言で説明はとても出来ないが、果敢に梗概を書いてみる(今回は、書いたところで全くこの作品の面白さは損なわれないと断言できる)。
【60字梗概】
見習い修道士とその師が訪れた山上の僧院で連続殺人事件に遭遇、犯人を突き止め追いつめるが火を放たれ全てが灰燼に帰す。
こう書くと中世を舞台にした謎解き推理もの、とも取れるが、そもそも造りからしてボッカチオの「デカメロン」を模したものだとか。時代はまさにダンテの「神曲」が作られた頃。魔女や異端者を裁く裁判が多く行われていた暗黒の中世、とにかく人の名前やら派閥の名前やらがやたらに出て来る。ラテン語らしき文章もバンバンそのまま出て来る。おそらく多くの人はここで挫けるのかもしれない。生半可な知識ではこれ読むの無理なんじゃない?と思わせる。だがそこも記号学者である作者の思う壺なのだ。
上下巻の最後に訳者の解説が載っているが、辛くなったらこちらを先に読むと少し楽に読めるかもしれない。特に「読む人の読書経験に応じた読み方が出来る」という言葉には唸らされる。ただ私は後でよかった、何だか負けた気がするから(笑)。やたらめったら長くて読みにくい名前が中々覚えられなくても、複雑怪奇な文書館の構造が想像できなくても、延々続く宗教談義に辟易しても、やせ我慢しながら頑張って読みつづけると、上巻後半あたりから始まる怒涛の読書体験に我を忘れて押し流される。
これほど自分の読書量が圧倒的に足りないと思ったことは無い。またこれほどまでに最後まで読んで良かったと思った本もない。もう少しマシな読書体験を積み重ねてからまた挑戦しよう、そう思ってしまったことも作者の思惑にまんまと乗ってしまってる感。嬉しいやら悔しいやら頭の中が一杯いっぱいだ。とりあえずショーンコネリー主演のあの映画をもう一度観たいかも。そしてデカメロンと神曲を読み直す。
個人的に、アドソの夢のくだりには本当に感動した。あの無秩序さ、不条理さ、筋の通らなさ、過激な展開、全部いい。私の夢日記もあのくらい凄いと書き甲斐があるってものだ。頑張ろう色々と(何を?)。
「一場の夢は一巻の書物なのだ。そして書物の多くは夢にほかならない」
一度読みたいと思いつつこの歳になってしまった、上下巻の大作。学者さんとはいえ、これが処女作とは本当に凄すぎる。盛りだくさん過ぎて一言で説明はとても出来ないが、果敢に梗概を書いてみる(今回は、書いたところで全くこの作品の面白さは損なわれないと断言できる)。
【60字梗概】
見習い修道士とその師が訪れた山上の僧院で連続殺人事件に遭遇、犯人を突き止め追いつめるが火を放たれ全てが灰燼に帰す。
こう書くと中世を舞台にした謎解き推理もの、とも取れるが、そもそも造りからしてボッカチオの「デカメロン」を模したものだとか。時代はまさにダンテの「神曲」が作られた頃。魔女や異端者を裁く裁判が多く行われていた暗黒の中世、とにかく人の名前やら派閥の名前やらがやたらに出て来る。ラテン語らしき文章もバンバンそのまま出て来る。おそらく多くの人はここで挫けるのかもしれない。生半可な知識ではこれ読むの無理なんじゃない?と思わせる。だがそこも記号学者である作者の思う壺なのだ。
上下巻の最後に訳者の解説が載っているが、辛くなったらこちらを先に読むと少し楽に読めるかもしれない。特に「読む人の読書経験に応じた読み方が出来る」という言葉には唸らされる。ただ私は後でよかった、何だか負けた気がするから(笑)。やたらめったら長くて読みにくい名前が中々覚えられなくても、複雑怪奇な文書館の構造が想像できなくても、延々続く宗教談義に辟易しても、やせ我慢しながら頑張って読みつづけると、上巻後半あたりから始まる怒涛の読書体験に我を忘れて押し流される。
これほど自分の読書量が圧倒的に足りないと思ったことは無い。またこれほどまでに最後まで読んで良かったと思った本もない。もう少しマシな読書体験を積み重ねてからまた挑戦しよう、そう思ってしまったことも作者の思惑にまんまと乗ってしまってる感。嬉しいやら悔しいやら頭の中が一杯いっぱいだ。とりあえずショーンコネリー主演のあの映画をもう一度観たいかも。そしてデカメロンと神曲を読み直す。
個人的に、アドソの夢のくだりには本当に感動した。あの無秩序さ、不条理さ、筋の通らなさ、過激な展開、全部いい。私の夢日記もあのくらい凄いと書き甲斐があるってものだ。頑張ろう色々と(何を?)。
「一場の夢は一巻の書物なのだ。そして書物の多くは夢にほかならない」
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