おさ子です。のんびりまったり生きましょう。

「烙印」

2019年1月24日  2023年9月13日 
 
「烙印 上下」パトリシア・コーンウェル
CHAOS  Patricia Cornwell

スカーペッタシリーズ久しぶりの新作。下巻の帯に「渾身の大団円」とあったのでさてはシリーズ終了か?!とドキドキしながら読んだんだけど、終わらなかった。ホッ。しかしここからどうなるのだ(・・;)……割ととんでもないことになってる。今回さすがにネタバレは忍びないので、梗概書かない(ラク)。それでもあえて言っておくが、今から読む人はこの先を読まない方がいい。率直に言って物凄く面白いです。









 前作で感じた不満は今回全て解消。謎の死を遂げた女性の検死を、マリーノとの阿吽の呼吸で他の誰より丁寧かつ的確に行い、真相に肉薄していく、この感じが懐かしくもたまらない。これですよこれ、私が求めていたものは。
 そして宿敵であるキャリー・グレセンの生い立ちが初めて詳細に語られる。親が宗教の狂信的な信者で子供を極端に抑圧・虐待ってこれまんまスティーヴンキングの「キャリー」じゃないですか。きっとここから取ったよね?と今更気づく。
キングのキャリーは元々持っていた超能力が文字通り爆発してパーティー会場を木っ端みじんにしたけれど、こちらのキャリーは筋金入りのサイコパス。長い長い時間をかけ綿密に準備してケイたちを陥れる。ここまで執拗につけ狙い続けるのは、憎悪ではなく歪んだ愛情と思える。頭脳明晰・容姿端麗、一見サイコパスとも見まがう程冷静に事に当たるケイたちは、同時に非常に人間的な部分もしっかり持ち合わせている。妬ましくて仕方がないのだろう。乖離する前のキャリーが奥底で望んでいたものをすべて持っているのだから。

今後の展開がどうなるのか全く読めなくなったが、まさかのマリーノとドロシーの組み合わせがまた新たなトラブルを生む予感。うーんこうきますか。ケイへの思いは決して成就しないだろうから、こうなるのも必然的なのかもしれないけど切ない。幸せになってほしいのになあマリーノには。

というわけでまた見逃せなくなった。次回作に多大な期待。
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