おさ子です。のんびりまったり生きましょう。

「ボヘミアン・ラプソディ」

2018年12月4日  2023年9月12日 
 
「ボヘミアン・ラプソディ」ブライアン・シンガー
Bohemian Rhapsody Bryan Singer (2018米)

これはまた梗概いらないやつ。史実がどうとかストーリーがどうとか、細けえことはいいんだよ!Queenという偉大なバンドの作り出した音楽の力をMAXまでぶん回して見せつけた、そういう映画である。以下Queenドンピシャ世代のうざいQueen愛と自分語りが続きます。

どうも映画が出来るらしいぞと聞いた時から、観るしかないとは思っていた。封切りされて以来SNSで沢山の人が観た観た自慢をしている中、絶対に行くぞと決意を固め、遂にチケット予約をしたその夜。「ライブエイド」映像をじっくらと鑑賞し、今は無き旧ウェンブリースタジアムの姿を目に焼き付け、本番でどの程度再現されてるかなーと……

そんなことはどうでもよかった。

映画冒頭で、ライブエイド中の異様な熱気に包まれた楽屋を歩き回るフレディ(ラミ・マレック)の姿だけで全部吹っ飛んでしまった。フレディ!私も観てたよ!テレビでだけど!あれ?私こんなにQueen好きだったっけ?!

兄たちの影響で幼少の頃より洋楽を聴いていた私だったので、ボヘミアン・ラプソディはまさにリアルタイムで知った。左右に分かれたスピーカーで聴いた時のあの衝撃。こんな音楽聴いたことない!当時土曜日は半ドンで帰宅、お昼たべてのんびりしながらラジオスイッチオンする田舎の小学生女子。リクエストアワーのランキング一位に「ボヘミアン」は一か月以上君臨、今週も?まさか!また一位?一位だ!

あんなに何回も何回も聴いたのに、じっくり歌詞を考えながら聴いたのはこの映画がはじめてだったかもしれない。陳腐な言い方だけど、フレディの作った歌のすべてはフレディの心の叫びだと思い知った。自由と引き換えに平凡な幸せを棄て、成功すればするほど、大勢の男女に持て囃されればされるほど、独り激しい孤独感に苛まれる夜を過さなければならない痛みが直球で伝わって来る。他のメンバーは普通に幸せな生活を送っているはずなのに、Queenとしての音はフレディの人生そのもの。今月号のRockin'onで1975年当時のブライアンへのインタビュー記事が再掲されていたけど、
「誰かひとりでも抜けたら、それはもうQueenではない」
というセリフが染みる。
フレディの死の知らせは当時本当にあっけなくて、その時何を思ったのか一向に記憶が戻らない。活動を停止したQueenにそれ以降は触れることもなく年月が過ぎた。

再度触れたのは多分、CM等にQueenの曲が使われるようになってきてから。懐かしいなと思い、当時近所に出来たばかりのCDショップでベストを買った。その後勢いがついてファーストアルバム、セカンドアルバム、そしてオペラ座の夜。子供が幼稚園に入り自由な時間が少し出来て、一人部屋で聴いた時の鳥肌。改めて凄い、凄い音楽だと思った。
それからしばらくして、何気なく”Don't stop me now"を聴いて唐突に思った。
「あれ、この人自分が近いうちに死ぬこと知ってる。知っててこの曲作ってるよね」
この曲が発売されたのは1978年。AIDS感染はまだ先だ。上りつめてまさにイケイケな時期に作られてるはずなのに、何故自分がそう思ったのか不思議だった。だけど映画観てわかった。最初からフルスロットルで生き急いでいる人だ、長生きできるはずがない。ボヘミアンの歌詞を書くその前から、ずっと死と共にある自覚があったのかもしれない。
だから映画の最後に流れた二曲の中に入っていた時にはちょっと驚いた。Show must go on はまああるだろうなと思ったが、Don't stop me nowか。やっぱり同じようなことを感じた人は沢山いたんだな。こんな明るい曲なのに泣いてしまったよ。

最後にとても好きな場面のことを。

建てたばかりのフレディの豪邸を見に来たロジャー。迎えたフレディは短く切ったばかりの髪型と髭を鏡に映しながら尋ねる。
「どうだい?」
ロジャー間髪を入れず一言、
「ゲイっぽい」。
違うだろこの家のことだよ!とプンスカするフレディに、あっそうなの?とトボけるロジャー。

イイ!すごくイイ!

映画の中のロジャーはいつも両脇に女性を連れていて、いいのかコレ本人承諾してんの?というくらい如何にもなロックスターという描き方をされている。その、フレディ以外の三人の中で一番テキトーな感じ(失礼)のロジャーが、サラっと言うこのセリフでどれだけ四人の関係が揺るぎないものか理解できる。私の中で一番のシーンである。

ああ、応援上映も行きたい。それでなくとももう一回観たい。

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