読んだ本いろいろ 2
ドラマを先に観た。いつも思うが、映像化と原作では、冒頭部分はたしかに同じなのに回を追うごとに徐々に方向がズレていってしまうのはなんでなのだろう。特にこの作品の場合、闇の部分を相当強調しないと説得力がなくなるのだが、そこは民放ドラマの限界か、ちょこちょこ改変され、結果凡庸なラストになってしまった。うーん、完全にダメってわけでもないけど、その持って行き方はちょっと違うよなあ。回数が限られているから仕方ないのか。してみると文章って本当に情報量が多いのね。
しかし自分を罰したいがためにおなじような境遇にある他人を傷つける、それも半端なく残虐に、ていう心理はどういうものなのか。この場合は特定の宗教とかではないけれど、かなり狂信的なこだわりだ。一定の思想やこだわりを全うするもしくは辻褄を合わせることだけを考えて生きるというのは、本人にとっては楽なのかもしれないが、その犠牲と成る人間にとってはたまったものではない。結局は、絶対の真理など無くて、自分以外の人の存在や考え方も認めつつ、危険からは身を守りつつ、自分の言いたいこと・やりたいことを適度に出しながらうまいこと泳いでいくしかないのだ。
ドラマではちょっとヒーローっぽかった刑事が原作だと相当なクズだった。あのdv夫と根っこは同じじゃん。というか下手するとdv夫のほうがまともなこと言ってない?と思うくらい。ドラマでは完全に悪だったけど、そこいらへんもっと掘り下げてほしかったなあ。正直美術教師の主人公より、この二人の相克が本作のキモだと思う。
百舌の叫ぶ夜
砕かれた鍵
幻の翼 逢坂剛
こちらもドラマから入ったパターン。とにかく映像が美しく、すっかりハマってしまった。ただ途中で某有料放送での放映に移管してしまったので2シリーズの途中までしか観ていない(ちょいダレてきたあたりでやめた)。
結論から言うとドラマとはまるで別物。「家族狩り」よりさらにさらに原作とかけ離れた感じ。登場人物のイメージも私には違うように思えた。
男性作家が描く女性ってどうしてこうも凡庸な、感情的な人になっちゃうのかな。あまり私の好みの女性像にお目にかかった試しがない。普通の人の感情を持たない百舌のサイコパスっぷりが際立つといえば際立つが。
まだシリーズはたくさんあるようなので読書続行予定。
コメント
コメントを投稿