5月に読んだのまとめて
「親鸞 上・下」の続編。さて最初のをいつ読んだかなーと思ってこのブログの「読書」ラベルついた記事を探してみたが、あれれ?無い?書いてなかったのね・・・。
ともあれ「激動篇」。波瀾万丈な若者時代を過ぎ、遠流の身ながらも比較的穏やかな生活を送る親鸞。それでも激動の時代であるから、次々と様々な事件が起こるのだが、ここでの主題はそれではなく、あくまで親鸞の内面の問題だ。念仏を詠んで何になる?という問に十分に応えることが出来ず迷い悩む姿は、理想に燃えていた若者の頃とは違いあまり格好良くはなく、女々しいし情けないが、リアルではある。この先この問題にどう折り合いをつけていくか、続きが楽しみだ。
「天地明察」 冲方丁
これは映画も観たが、原作の方がずっと良かった。いろんな人の思いを「頼まれ」、実直な主人公が奔走する。努力や研鑽や思いの積み重ねが、少しずつ実を結び、花開いていくさまを自分の目で見ることのできる人は幸せだが、自分の仕事を精一杯果たし、誰かに「頼んだぞ」と言える、そういう心持ちで世を去ることができる人も幸せだ。
結局のところ、あまり「自分が自分が」と言わない、いつか確実に消えてしまう「自分」にあまり執着しないほうが、幸せな人生を歩むのだろう。
「1922」に続く、闇の四篇のうちの残り2つ。キングが一切の容赦なく書き切る闇の世界、今回も表題作及び「素晴らしき結婚生活」、両方とも後味は悪いものの、ハッピーエンド、と言えば言えなくもない。なぜかといえば両方、いわゆる「正義」「大義」があるからだ。
といってしまえば格好いいが、現実にその「正義」を行使することは決してキレイな所業ではない。人を殺すということは、ただ犯罪というだけではなく、恐ろしく汚くて、そしてひたすらに面倒なことなのである。これ読んで自分も真似しようと思う輩はなかなかいないだろう。そういう意味でもさすがはキング。
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