おさ子です。のんびりまったり生きましょう。

今日から6月

2011年6月1日  2011年6月1日 
早いものでもう五月も終わりである。このへんで、いろいろと思ったことをダダ流し。

科学的思考、というのは実は「明快」「わかりやすい」からほど遠いところにある。なぜなら、誰の目から見ても白であるものにも「本当は黒なのではないか?いや赤かも。ことによると緑かも」と懐疑をいだき、あらゆる可能性を捨てずに考察し続けるのが、科学的思考というものだから。

「再臨界する可能性はゼロではない」
通常ならありえない低い可能性でも、ゼロではない以上そう答えるのが科学者だ。デタラメだとかいろいろ言われているが、一番批判されるべきは、そういう「科学的思考」による発言の真意を理解せず、その場ではわかったふりをし、不安を煽るニュアンスを盛って発表してしまった政府だろう。

「ただちに健康に影響なし」
これだって決して嘘ではない。一番数値が高かった時でも、即死レベルではもちろんないし、体調不良を起こすほどでもない。
だけどこちらが知りたいのは、だったら「いつから」「どのように」影響あるの? ということだ。
その辺の答えがすぐに出てこないのはある程度仕方ないとは思う。未曽有の災害にかてて加えて、かつて誰も経験したことのない事態だ。専門家が何人集まっても、なかなか明確な答えは出てこないだろう。
しかしそういう状況でも、今何をしなければならないか、を迅速に判断し答えを出すのが、全権をもつ政府の役割ではないのか。
わからないならわからないなりに
「すぐにどうとかってことはないから落ち着いて!けど、万一爆発なんかしたらヤバイから30km圏内は全員避難!」
としていてもよかったはず。事故直後、国民全体が切迫した危機感をいだいていたあの時期なら、すくなくとも住民の感情的には動きやすかったのではないか? そういうスピードと機転を必要とする措置を今の政府が出来たかどうかはかなり疑問ではあるが、もし最初に
「とにかく逃げろ!あとは国に任せとけ!
と宣言して一斉退避を決行していれば、後々住民が振り回されることも、都内での買い占め騒ぎも、不信任案なんてことにもなってなかった・・・かもしれない。

東電が事故当時、社員を退避させたことで批判されたが、東電はいち私企業である。とりあえず社員の安全を守るのは当然ではないか?周辺住民を守るのは政府の仕事のはず。国に手厚い保護をうけているとはいえ、東電には、強制的に住民を避難させる権限などないだろう。東電は、東電に出来る仕事をしただけではないのか?まったく悪いところがなかったとは言わないが、政府がマスコミの前で東電批判するのは筋違い。そういうことは裏でやって、表向きだけでも全面協力体制だと見せなさいよ。だから不安になるんでしょうが。

政権交代してからというもの、おかしなところがいろいろと目につくようになったので、国会中継をよく観るようになり、ネットでも情報収集に励んだ。それですべてを知ったつもりになったわけではないが、歴史研究でいうところの「一次資料の重要性」を痛感した。
テレビのニュースや新聞や雑誌などの記事は「編集」されている。当然ながら、国会中継を丸々載せるはずもなく、発言ややりとりを抜粋しまとめている。要するに記者、またはその記者が所属する組織の考え方ひとつだ。そんなことは分かりきっているのに、自分が観た国会でのやりとりと、実際に報道された内容を比べて、あまりのギャップに驚いた。驚いた自分にもびっくりだった。当たり前じゃないかと。

本来の「科学的思考」が「わかりやすさ」や「明快さ」からは遠く離れていることと同じく、真実は複雑で掴みどころのないものだ。わかった!理解した!と思った時ほど注意だ。
ニュースになっているのは所詮、ダイジェストにすぎないし、間違っている可能性だってある。今頃そんなことを実感するなよ自分、と情けなかった。

よく聞くのが「政治は誰がやっても同じ」という言葉。かつて私もそう思っていたし、口にしたこともある。けれど本当に、誰がやっても同じ、か?飛び抜けて有能ではなくとも、あるレベル以上の働き手によって構成されている会社に、著しく劣る人間を放り込んだらどうなる?せめて「あるレベル」に達している人間かどうかの見極めは必要なのでは?
逆に考えれば、「誰がやっても同じ」ように思えていたということは、これまで大きな失敗がなく平穏な状態が保たれていたということではないか。では「同じでなくなった」時に何が起こった?

沖縄の普天間問題。
宮崎口蹄疫。
尖閣の漁船衝突事件。
 
震災を抜きにしても、何かいろんな方面から崩れてきているように感じる。

トップがコロコロ変わるのはよくないという声をよく聞くが、そうは思わない。変わる理由が正当ならば、変わるべきである。動かない組織はすぐに腐る。ただ、「変わる」ことそのものを目的にするべきではない。

すくなくとも国のトップにつく人間が、人の心がわからない・組織というものがわからない・すべて他人のせいにする、ような輩であってはならないと思う。

今日は午後から党首討論も行われる。3時からNHKで中継もある。せめて見届けようと思う。
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