「シビル・ウォー アメリカ最後の日」

  映画館で観たかったのに見損ねたやつ。監督は「ウォーフェア」の二人のうちの一人。


「シビル・ウォー アメリカ最後の日」アレックス・ガーランド

Civil War / Alex Garland(2024米)

 まず私は何か勘違いしていた。超ドンパチな映画かと思っていた(いやドンパチはあるよ)。ロードムービーだった、それもホッコリ感皆無、進めば進むほど地獄的な。主人公をジャーナリスト集団としたのは秀逸。そうでないと途中で絶対足が止まる。基本的に「記録する」だけが目的だからこそ前に進むことができる。それを「業」と呼べばいいのか、「狂気」といってもいいのか。以下、ネタバレ気味の感想:

 内戦状態となったアメリカ、ニューヨークはいかにも非常事態の趣で殺伐としているが、すこし離れると不気味なほどに静かだったりする。道には焼けた乗用車などが転がってるけど。ガソスタには銃持った人がたむろしてて盗もうとした人たちが吊るされてたりするけど。ちょっと面白いなと思ったのは、この渦中において「戦争がないかのように普通に暮らす」町があるということ。店番をしてるお姉さんが熱心に読書してる、ところがまた象徴的。見るべきものを見ない振りしているというより、皆が皆けっこうな努力と気概を以て「普通の暮らし」を保っている感じがした、私には。ドンパチやるより余程格好いい。実は裏で相当の武力を持ってる町なのかもしれないけど(ていうかそうだきっと)。

 そしてすっかりネットミームになりつつある「お前は何人だ?」のくだり。奇天烈な色のグラサンかけた兵士の質問が超怖い。何人ってみんなアメリカ人じゃん!のジャーナリストの「言葉」はまるで響かない。最終的に暴力でこの場を突破するしかない・その代償もキッチリ払わされるというあたり、戦争の現実そのものである。冷徹な女性カメラマンと新米女子カメラマンが徐々にその立ち位置を逆転させ、遂に入れ替わるシーンも圧巻。斃れても必ず続く者がいる、との確信に満ちたラスト。やはり業なのか狂気なのかわからないが、これがアメリカと言う国の矜持なのかもしれない。音楽もイイ感じにとんがっててすごく良かった。面白かった。 

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