九月に読んだ本 その2
熱中症の余波で弱っていた体も、このところの涼しさでようやく元に戻りつつあります
何より読書が普通に出来るようになったのは嬉しい♪
というわけで、再び花村萬月さん「皆月」
第19回吉川英治文学新人賞を獲得しております
他の候補作には桐野夏生さんの「OUT」、佐藤多佳子さんの「しゃべれどもしゃべれども」
などそうそうたるメンバー
映像化もされています
wikiでみたら、奥田瑛二さん主演、由美役が荻野目慶子さん
奥田さんはちょっとかっこよすぎかいな、とは思うものの、こんど借りてみようと思います
「みんな月だった」という謎のメッセージを残し失踪した妻を探しに旅に出る元夫・その恋人の元ソープ嬢由美・妻の弟アキラ
裏社会に生きる由美とアキラは、自分の意思で住んでいる場所を出た、という経験がない
この、やむにやまれず不承不承に出発した旅が、二人にとっては生まれて初めての「旅」だった
というくだり、胸をつかれます
小説を読んでいるときはかっこいい男子や美しい女子が出てくると嬉しいものですが(私だけか?)
こと花村さん作品に関しては、外見はまったく問題にならない
小説だから、というのではなく、登場人物の魂をもろに見せられているようなきがするのだ
妻に捨てられてしまう主人公、ビジュアル的には本当に単なる「おっさん」なんだろうけど、非常に魅力的で、物語が進んでいく間にどんどん惚れ込んでしまう
物語が終わったときはちょっと寂しい気持ちにまでなりました、ハッピーエンドではあるものの、登場人物たちとのお別れがつらい
花村作品はまだまだ未読のものが沢山あるので、ゆっくりじっくり、楽しんで読んでいこうと思います
ところでここに出てくるアキラは「傷だらけの天使」のアキラを意識なさってるのでしょうか
性格や振る舞いは全然違うのに、何となく連想してしまった
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