2018年12月28日
2023年9月12日
「万引き家族」是枝裕和(2018)
ロードショーで観そこなった(恒例)のをオープン間もないアップリンク吉祥寺で観た。いやー新しくてどこもかしこも超キレイ!座席は色分けされて可愛いし、ちゃんと互い違いになっててナイス。往年のミニシアターブームを思い起こさせるこじんまり感もいい。しかもトイレの手洗い場についてる乾燥機が、「吸引力の変わらない唯一つ」のアレ。音でかいが乾燥力も凄いわ。
【60字梗概】
各々事情を抱えた6人は他人同士ながら疑似家族として暮らしていたが、祖母の死とその隠蔽を境に犯罪行為が次々に明るみに出て、遂に離散する。 「2018年・第71回カン…
「天翔る」「橋本左内」「天狗争乱」
2018年12月27日
2019年7月3日
幕末シリーズ三冊一気読み。そのきっかけはこちらの
「福井150年博」。
実際に足を運んだのは福井県立歴史博物館のみだけど、そこに置いてあったこの冊子があまりに素晴らしくて熟読してしまった。永久保存版。
で、その中に
「幕末の福井を描いた小説」を紹介してるページがありまして、その三冊をまるっと読みました。解説は以下の通り。 「天翔る」(あまかける)葉室麟
葉室さんはお初。すごくシンプルで端正な文章で読みやすかった。もう亡くなられているのは誠に残念。
実を言うと、一冊目のこの本を読んだ直後は松平春嶽の凄さが今一つわからなかった。特に後になればなるほど引き気…
紅葉賀 六 ~王命婦ひとり語り~
2018年12月17日
2022年6月8日
こんにちは、王命婦でございます。藤壺で長く女御さま付きの女房を勤めさせていただいております。
藤壺の女御さまのご出産についてのお話ですね?決して他に漏らさぬとお約束していただけるなら……では、少しだけ。
藤壺の女御さまは、師走が過ぎ年が明けましても一向に産気づく気配はありませんでした。今か今かとお待ちになられている帝や宮家の方からの御心配のお声、そして
「物の怪のせいで出産が遅れていると聞くが大丈夫か」
という世間のお噂も日に日に大きくなり、お耳に入れたくなくとも入ってきてしまいます。ええ、月の数えが合わない理由を 「物の怪のせい」
と最初に断言さ…
「カエルの楽園」「日本国紀」
2018年12月13日
2023年9月13日
「カエルの楽園」 「日本国紀」 百田尚樹
いろいろ物議を醸しがちな百田さん二連発。「カエルの楽園」は気にはなっていたものの読んでいなかったのだが、これまた娘に請われて買った。友達が面白かった!と言ってたからと。
カエルの楽園【梗概】
三戒を平和の根拠として守るカエルの国が、外敵に侵食され仲間を殺されても戦わず、反対する者を排除した結果、ついに滅亡する。
まずカエルの楽園、これは梗概だけでもどこかの国の寓話だと察しがつくのだけれど、登場人物についても名づけからして相当あからさまなので、殆ど誰なのかわかってしまう。楽しいといえば楽しいがちょっと見たまんま過…
紅葉賀 五
2018年12月11日
2022年6月8日
公私ともに諸々多忙なヒカルといえども、さすがに 政界ツートップの一人である左大臣 の娘・正妻の 葵の上 をないがしろにするわけにはいかない。
宮中での仕事を終えて直行した大殿は、相変わらず格式張っていて隙が無い。無さ過ぎてどうにもリラックスできない上に、いつまでたっても他人行儀な妻。 「年も新しくなったことだし、せめてすこしは世慣れて態度も改めていただく気持ちが見えたら嬉しいのですが…」
と言ってはみるものの、葵の上からすれば 「どうもどこかに女の人を囲ってるらしい →その話が一向に表に出てこない →ふーん。軽い遊びじゃない、ヒカル王子にとって そこそこ重要な存…
「ボヘミアン・ラプソディ」
2018年12月4日
2023年9月12日
「ボヘミアン・ラプソディ」ブライアン・シンガー Bohemian Rhapsody Bryan Singer (2018米)
これはまた梗概いらないやつ。史実がどうとかストーリーがどうとか、細けえことはいいんだよ!Queenという偉大なバンドの作り出した音楽の力をMAXまでぶん回して見せつけた、そういう映画である。以下Queenドンピシャ世代のうざいQueen愛と自分語りが続きます。
どうも映画が出来るらしいぞと聞いた時から、観るしかないとは思っていた。封切りされて以来SNSで沢山の人が観た観た自慢をしている中、絶対に行くぞと決意を固め、遂にチケット予約…
紅葉賀 四(オフィスにて♪)
2018年12月3日
2022年6月8日
「右近ちゃん、侍従ちゃん、いらっしゃる?」
「きゃー 王命婦 さんじゃないですか!こんにちは!」
「お元気そうで……て、ちょっと痩せた?」 「やだ右近ちゃん、わかる?ちょっと疲れちゃってさあ……職場こっそり抜けて来たの。はいおみや」
「いつもありがとうございますう♪お茶入れて来るね!」
給湯室に消える侍従。 「紫ちゃんの話してた?」
「あっ聞こえてた?もう、侍従ちゃん声大きいから」 「いえいえ、具体的なところはしっかりボカしてるから、よく知ってる人じゃないとまずわからないと思う」
「ならよかった」 「もう紫ちゃんのおばあさまの喪も明けたのよね。早いわね」
「そう…
「神仏習合」
2018年11月26日
2023年9月13日
「神仏習合」 義江彰夫著 「神仏習合」再考 ルチア・ドルチェ 三橋正 編
懲りずにまた学術本ラッシュ。
だって神仏習合について知りたかったんだもの。
これでわかったか?と言われると自信ないけど、まとめてみる。 まず面白かったのは、今までその地を治めていた神が次々と、
「そのことにより重い罪業を抱え」
「神道の報いを受けるところに至」ったため
「永く神の身を離れ」
「仏教に帰依したい」
という託宣を下したという記録が各地に残っているということ。何と、神様自ら仏に救いを求めると!
勿論その「神託」は人間の事情を色濃く汲んでいるものだから、とどのつまり日本社会の…
「目撃」
2018年11月20日
2023年9月12日
「目撃」 クリントイーストウッド Absolute Power Clint Eastwood (1997米)
これを観た後、俳優としてのクリントを観るのももうないかなーと思いきや、12/14から新しい出演映画が全米公開ですって。つよい。
【60字梗概】
大統領の不倫殺人を目撃した泥棒が隠蔽された犯罪を白日の下に晒す。
クリントが好んで描くダーティなアウトローは、いつもいつも何でこんなに魅力的なんでしょう。何気に万能な大泥棒、不在が長かったため娘にとってはダメ親だったのだが、娘への愛情だけは真実で揺るがないところも萌える。
社会的地位の高い、人格的にも優れ…
紅葉賀 三(オフィスにて♪)
2018年11月20日
2022年6月8日
「ねえねえ右近ちゃん」
「なあに侍従ちゃん」
「聞いて聞いて♪実はこの間、 二条院 に行ってきちゃった♪」
「ホント?そりゃまた何で」
「いやー少納言さんにちょっと頼まれたものがあってさ」
「えっあんなセレブ御殿に無いものなんてあるの?」
「それがさ、ハギレよ古着物の。ほらあの常陸宮のさ」
「あれボロボロの粉粉だったって言ってなかった?」
「勿論ほとんど捨てたけど、マシな部分は取っておいたのよ。ものはいいからね、縫物に使えるかと思ってさ。少納言さんも殆ど荷物なんて持って来てないし取りに戻ることも無理だし、二条院てすっごい豪邸で調度…
上司は思いつきでものを言う
2018年11月15日
2023年9月13日
「上司は思いつきでものを言う」 橋本治
いわゆる新書はひっさびさ、しかも橋本治さんもひっさびさ。
日本人がなぜこうなのか、仏教伝来の頃まで遡って微に入り細に入ってほじくり返し、どうも儒学が染みついてるらしい、だから現代はこうなのだ、挙句結論は特にない、というかタイトルが始まりで全てでした。橋本さんのこういう本は大体そうなんだけど、一人ブレインストーミングとも言うべき語彙力の高さ・回路の細かさ・方向の多彩さに感心してしまう。飛躍しているように見えても経路はあって、ちゃんともどってくるのだ。
それにしてもこの本が出たのはもう十四年も前だけれど、今の状況はま…
増える
2018年11月15日
2018年11月15日
※連日の疲れで寝入った昼間の夢
自宅のマンションにもうひとつ部屋が増えている。いや最初からあったのだ。何で今まで気づかなかったのだろう?ちゃんと活用しなければ、と思う。
娘と部屋の片づけをしていると、居間に誰か座っている。いつのまに入ってきたのかと困惑するが、以前引っ越した娘の同級生の女の子とその弟であることがわかる。まあ大きくなって、元気にしてた?と聞くと女の子はにこっと笑う。よく見るとその腕に一歳くらいの赤ん坊を抱いている。妹なんです、といってまたニコニコしている。〇ちゃんどこの高校行ってるの?と聞いたら「カイジョウ」です、という。えっすごい…
文書行政の漢帝国
2018年11月14日
2023年9月13日
怒涛の忙しさがやっとひと段落したので、ちょっと前に読んだ学術本の話をば。 「文書行政の漢帝国 木簡・竹簡の時代」 冨谷 至
梗概…は無理なので(笑)軽く説明。要するに古代中国において公的文書として使われていた木簡や竹簡についての研究本です。494頁という厚さにひるみそうになるが、そこは参考文献や例文にかなりのボリュームを割いているせい。文章は極めて平易で読みやすいです。
実際の木簡・竹簡の画像と書かれている文などふんだんに載っているが、堅苦しい公文書ばかりと思いきやそうでもない。同じ字の練習をせっせとしていたり、かなり砕けた感じの手紙だったり、叩々頭々と…
自動人形の城(オートマトンの城)人工知能の意図理解をめぐる物語
2018年10月30日
2023年9月13日
「自動人形の城(オートマトンの城)」 :人工知能の意図理解をめぐる物語 川添 愛
ツイッターにて見かけて気になったので読んでみた。東大出版会が出していて作者は言語学・自然言語処理が専門、と中々学術的だが、中身は非常に読みやすく、読書好きならば小学生(中~高学年)でもいけると思う。
【60字梗概】
自動人形に取り換えられた城の家来たちを王子とその家庭教師の魔術師が知恵を絞って働かせ、仲間を取り戻して敵を倒す。
「AIに人間と同じことをさせるとしたら、どういう点に注意が必要か」を基に書かれている物語なので、人物一人一人の特性、一つ一つのエピソードが強く明確…
帰途につく
2018年10月12日
2018年10月12日
※これも昼間の夢。
古く広い家の中で偲ぶ会が行われている。一人は泥酔しているようで大きな声でくだを巻いており、周りの人は皆眉をひそめている。
小学生くらいの男子が二人、退屈したのか追いかけっこを始め、家具に掛けてあった布を乱暴にはぎ取り走り去っていった。向こう側で親に叱られているような声が聞こえる。
長い宴がようやく終わり、客人が帰る時が来た。挨拶をしにいくと、テレビでよく見る有名な俳優が立っている。握手してくださいとお願いすると快く受けてくれる。
ありがとうございます、故人があなたの出てるテレビ番組をよろこんで観ていました、
と言おうとして泣…
紅葉賀 二
2018年10月7日
2022年6月8日
さて朱雀院への行幸本番である。
親王達は一人残らずお伴をする。ヒカル王子の兄・東宮も勿論お出まし。
恒例の、演奏者を乗せた楽の舟ぶねが漕ぎ廻る。唐楽・高麗楽と数々の趣向を凝らした舞が幾種類も舞われる。響き渡る楽の音、鼓の音。
先の試楽、夕映えに舞うヒカル王子の美しすぎる姿はまだまざまざと脳裏にある。何かに魅入られはせぬかと心配した帝の命により、方々のお寺で読経が行われた。世の人々は、そりゃそうだよね素晴らしすぎて怖い程だったもの親心だねとひたすら感嘆するばかりだが、東宮の母・弘徽殿の女御は大げさな…とひとり苦虫を噛み潰す(自分で不吉だと言った癖…
「虐殺器官」
2018年10月6日
2023年9月13日
「虐殺器官」伊藤 計劃(2007)
子供が買ってきたシリーズその4(だっけ?)。これがデビュー作でしかも二年後に亡くなってるということに二度びっくり。死後にフィリップ・K・ディック賞取ってて、アニメ化もしてるのね。もっと生きてもっと書いてほしかったなあ。
内容は、ネタバレしてもいいようなダメなような判断つかないので、ちょっと下げとく。
【60字梗概】
人間が持つ大量虐殺を誘発する器官を利用し各所で内戦を起こした男を追いつめた米軍大尉は、自らの罪を贖うため同じやり方を自国に適用した。
うーん難しい。ここまで緻密に組み立てられた世界ごと短い文字数に押し込め…
「レヴェナント」
2018年10月4日
2023年9月12日
「レヴェナント 蘇えりし者」アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
The Revenant Alejandro Gonzalez Inarritu (2015米)
最近ディカプリオには結構注目している。タイタニックの頃は全然イケメンとは思わなかった。年を取る程いい感じになっていく俳優ではないかしらんと偉そうに考えている。
【60字梗概】
アメリカ開拓時代。仲間に裏切られ、インディアンの妻の忘れ形見である息子も殺されて死にかけた男が、自然の脅威の中生き延び復讐を果たす。
一応話の軸としては復讐譚なのだが、そんなことはごく些細なことだと思えるほど「自然」…
「ダークタワー」
2018年9月27日
2023年9月12日
「ダークタワー」 ニコライ・アーセル
The Dark Tower Nikolaj Arcel(2017米)
スティーブンキング原作「ダークタワー」シリーズは全巻持ってるが、あの超長い話をどうまとめたのか知りたかった。
【60字梗概】
異世界に引き寄せられた少年は拳銃使いの戦士と共にダークタワーを壊そうとする黒衣の男と戦い勝利、その世界で生きていくことを決意。
スティーブンキングの小説はどれも極めて映像的な表現が多いのが特徴で、ドラマ化・映像化がしやすいと言われている。確かに、「シャイニング」にしても「キャリー」にしてもこの間の「IT」にしても、イメー…
「銀魂2」
2018年9月25日
2023年9月12日
「銀魂2 掟は破るためにこそある」福田雄一(2018)
おーほほほ、久々に映画館で映画観ましたわ(^^♪頑張った私。
これはまあ、梗概いらないっしょ(放棄)。とにかく最初から最後まで、役者さんたちが皆物凄く楽しそうでこっちまで気持ちが明るくなる。原作へのリスペクト凄い。再現度高すぎ。そこまで再現しなくてもとええやんかというところまで謎の執念で再現。結果、イケメン・美少女パラダイス。ファンとしては嬉しい限りである。
アニメ原作を実写化して大失敗する事例が多い昨今、何で銀魂は成功したのかというと、とりもなおさず制作者・出演者・スタッフ全員の「愛」であろう。…
紅葉賀 一(オフィスにて♪)
2018年9月20日
2022年6月8日
さて、ここでは末摘花の最後より少し時間を遡る。若紫でちらっと出てきた 「朱雀院への行幸 」、すなわち神無月(十月)前後のお話。帝の行幸とは、今で言うところの 人気アイドル総出演の野外ライブ のようなものだが、宮仕えの女性たちの多くは観られない。そのため宮中でリハーサルの形をとって披露する=試楽ということをやった。宮中の女性たちが一堂に会し、色鮮やかな着物の裾が御簾からこぼれ見える華やかな会場で、何か月にもわたる練習の成果を見せる貴公子たち。観る方にも演る方にも、一大エンタテイメントだったことは間違いない。
「ねえねえ右近ちゃん」
「なあに侍従ちゃん」
「…
「インターステラー」
2018年9月19日
2023年9月12日
「インターステラ―」 クリストファー・ノーラン
Interstellar :Christopher Nolan(2014米)
子に勧められたシリーズ第三弾(多分)。ネットでほぼネタバレの記事をみつけて観たくなったらしい。今時ね。
というかこの監督ダンケルクの人やん…そりゃ面白いはずだ。
というわけでネタバレでも大丈夫みたいなんでいつもの
【60字梗概】
家族のため宇宙に出たエンジニアが、時空を超えて娘に接触し数式を教える。その娘の功績により人類は地球を脱出、長い旅に出る。
ああーなんじゃあこの厨二くさい梗概はしかも今までで一番ヘタクソ(;´・ω・)。盛…
登録:
投稿 (Atom)